ドラえもん / 4[未来・宇宙編] (小学館コロコロ文庫 ふ 1-4)

  • 小学館 (1994年12月9日発売)
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本棚登録 : 162
感想 : 10
4

今度は地球を飛び出して別の世界に飛び出した。これらの作品の多くがその後の長編作品に多大なアイディアを提供している。
人間にとって地球ではない世界はいまだ遠くにあって、ドラえもんなしには辿りつけないから、可能性の翼がどこまでも広がっていく。
誰もが一度は想像した、遠い空想の世界。普通はそういうものを忘れて、忘れようとして生きていく。そういう空想を抱えてだけではひとはいきてゆかれない。子どもに戻りたいとは決して思わないが、あの頃抱えていたカンのようなもの、深く揺れ動き委ねていたあの心、そういうものが時に今生きる現実に対して有効なものを与える時だってあるのではないか。
ドラえもんはすぐそばにいて、のび太のそういう感覚を笑い飛ばしながら、結局付き合ってくれる。だからこそ、登場人物たちはのびのびとその個性を発揮し続けることができる。これほど、キャラが固定しているにもかかわらず、飽きないのは、ドラえもんの道具のもつ力でもあるが、登場人物たちがそうした中で変化しつつも、やっぱりどこかで変化しないところをもって生活している所にあるんだと思う。
解説者はそこのところを見落としている。ドラえもんは決してペットではない。かといってのび太の友人であるかと言えばそうではない。そういう特別な存在なのだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: マンガ
感想投稿日 : 2017年2月7日
読了日 : 2017年2月6日
本棚登録日 : 2017年2月6日

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