毎日の言葉 (新潮文庫)

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本棚登録 : 146
レビュー : 8
著者 :
Keitoさん 評論・哲学・宗教   読み終わった 

毎日何気なく使つてゐることばの成り立ちといふものを知るといふことには、その言葉が発せられたその心持といふものに触れることができる。ことばを正しい使ひ方といふのではなく、その言葉がどういふ心持でその言葉として形をとつてしまつたのか知ることの方が、言葉を教育するといふことでは重要であると思ふ。
かなり手を入れることにはなるが、今でも古典が読めるといふことには、さうした言葉の底を流れる心持がどこかで連続してゐることの証ではないか。よく現代人にもわかる古典訳みたいなものがあるが、この言葉の感覚の連続にまで降りていつてゐるものはあまりない。
言葉の感覚が連続してゐると同時に、異なる部分も必ずある。おそらく失はれてしまつたであらう言葉の感覚。そこにでくはした瞬間のなんとも言ふことのできぬ、隔たり、遠さを感じる。悲しくもあり、さういふものかと思ふ自分もゐて不思議なものである。
インド・ヨーロッパ語族の言語と異なり、日本語いふものはその語源を探ることが非常に難しいとされてゐるとどこかで聞いた覚えがある。
さうした中にあつて、民俗学のやり方を取り入れて考えたことは日本語といふことばを考へる上で非常に重要であると思ふ。
遡ることと、日本の各地から方言を拾ふこと。ことばの変遷を可能な限りたどること。それを見ることによつて、言葉の交流がわかる。方言から取り入れられて続いてゐる言葉もある。読んでゐるとまるで絵画の歴史を見てゐるやうな、ことばのかたちの流れといふものがあるやうな気がしてならない。

レビュー投稿日
2020年2月8日
読了日
2019年11月18日
本棚登録日
2019年11月18日
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