君自身に還れ 知と信を巡る対話

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Keitoさん 詩集・句集・書簡集・対話集・エッセイ   読み終わった 

あと十年すればわかる、そのことばを待たずに、亡くなつてしまつた。そして、そのことばを言つた者もついこの間、亡くなつてしまつた。先を生きる者だからこそ、何とも思はずにはゐられない。
信じるといふことはある種の思考停止ではないか。知ることをやめてしまふことではないか。しかし、本当に信じ続けるためには、知り続けなければならない。
同じものの裏表。裏は表で表は裏。見る方向によつて変はるだけで、どちらも同じものの現れ方の違ひだつた。善悪・生死・有無、どれもことばのなすものだつたのだ。
ではことばにならないものは存在しないのか。決してそんなことはない。絶対無が存在しないことには、ことばも存在し得ない。空があるからこそ、色がある。仏教ではそれを弥陀の本願といふ。
わたしといふ存在を信じないことには始まらない。しかし、そのわたしが存在するのが他ならない未知、本願によるなのだ。空はいつでもこの存在と共にあつた。
文字だけでは、この対話がどのやうな展開や雰囲気を出してゐたのかすべてを感じることはできない。だが、池田某はおそらくもつと聞きたいことがあつたに違ひない。静かに耳を傾けながら、時に核心をつきに投げかける様子は、年齢を重ねておとなしくなつたと自嘲してゐたがこのひとらしさだと思ふ。それを知つてのことか、大峯さんも本当のことを語りながら、笑つて核心を語らない。だからこそ、話しながらもつと知りたくなる。知り続けたくなる。

レビュー投稿日
2018年11月17日
読了日
2018年11月17日
本棚登録日
2018年11月17日
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