かぐつちみどり名義で、童話調をとっているが、夢と現実の境、嘘と本当のことばの応報、語りによる世界の構成、夢野久作の妙技。
オシャベリを戒めるというよりは、オシャベリそのものに迫る。独白形式や書簡形式で外堀を埋めていく夢野久作スタイル対して、夢と語りで描き出す。ところが第三者の視点を持ち出してしまうと、ある意味ではそこに現実味という絶対性をもたらしてしまい、本来の不可思議な在り方を描けなかったのだろう。
そういったことを鑑みて、夢の夢の夢…のようなややこしい語り方をとったのだと思う。
彼のことばに触れるたび、彼と対話がしたくなる。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
物語
- 感想投稿日 : 2015年1月25日
- 読了日 : 2015年1月25日
- 本棚登録日 : 2015年1月25日
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