愛と美について

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本棚登録 : 26
レビュー : 2
著者 :
Keitoさん 物語   読み終わった 

梅雨のある曇天の日、兄妹5人で語られる、あるロマンス。兄妹それぞれがてんでばらばらな方向性を持つのに、一つの物語(ロマンス)が彩られていく。
なんだかプラトンの『饗宴』やサリンジャーのグラース家をみているみたい。
兄妹それぞれが持つ特徴が、語る言葉にそのまま映し出されている。失恋尽くしの長女、まじめすぎる末弟、俗物的だが頭の切れる気難しい次男、自己陶酔に浸る次女、ただ物語が好きなだけの長男…物語を通すことで、本来なら響き合う事のない兄弟が一つの調和を奏でる。
語りの後には、退屈と倦怠、再び訪れる荒涼さと険悪さ。だが、そんな5人を見守るたったひとり母のまなざしと最も気の利いた機智があるから、閉塞的な空気が、さっと雨上がりのような涼しい風で吹き飛ばされる。

レビュー投稿日
2014年10月31日
読了日
2014年10月31日
本棚登録日
2014年10月31日
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