吉田茂 ポピュリズムに背を向けて

著者 :
  • 講談社 (2009年4月21日発売)
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感想 : 9
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<目次>
独立記念日
「ワンマン」のルーツ
義父・健三とジャーディン・マセソン商会
気位は高いが間違ったことはしない
親の七光りは嫌いです
雪子と岳父・牧野伸顕
おれのようにやったら三〇くらいでクビだがね
パリ講和会議
夢に終わった高等官一等
満州某重大事件〔ほか〕


「白洲次郎 占領を背負った男」に引き続き、北康利の本書を読む。
大きな流れとしては、

吉田茂のルーツ⇒戦前の外交活動と政治活動⇒戦後のGHQ占領下での活動⇒サンフランシスコ講和条約

となる。全編を通して吉田茂という人間の生き様を垣間見ることができる。(とくにそれを強く感じさせるのが敗戦後のGHQとの斥候の場面)吉田茂は当の昔に故人なので、その生き様には著者の願望が含まれ、ある程度脚色されているのだろうが、今の日本にこのような政治家がいればなと思わせてくれる。また、人物モノというだけでなく、戦後の日本がどういう経緯で今に至ったか、それを学ぶという歴史モノという点からもこの本を読むことをおススメする良書。


政治とか憲法改正とかなんとか、この本を読む中で思ったことは数多くあるのだけれども、
1つだけ書く。
本著を読む中で吉田茂は非常に強い『愛国心』を持つ政治家であるということが分かる。

『愛国心』 

今の日本はこれが非常に問題になる可笑しな国家である。

"自分の生まれた国を愛する事"

これの何処に問題があるのだろう。(そりゃもちろん行き過ぎた愛国心教育は問題外だろうけど)
日本という国に居る以上、日本人である以上、持っていても何も不思議ではないことだ。
その割に、どこぞの政党なんかは「愛国心を持つ=軍国主義」との大層なご意見をお持ちだ。
(おまえら日本人かよと詰問したい)

愛国心・・・もって何が悪いんですかね?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会・思想
感想投稿日 : 2010年9月22日
読了日 : 2010年9月22日
本棚登録日 : 2010年9月22日

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