官僚村生活白書

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  • 新潮社 (2010年6月1日発売)
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感想 : 10
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今から10年前、民主党が政権を奪取した時の著作。省益あって国益なし、と言われた官庁の縦割り行政に楔を打ち込むべく、政治主導で官僚たちに挑んだ。この流れの延長上に今日の忖度という習性が醸成された感がする。当時の官僚と取り巻く環境につき、取材を重ねた著者は、想像を超える世界を垣間見て、巨大な壁への戦いの無力さを感じる。能力主義で行き着いた先に待っている、血筋や閨閥で張り巡らされた網、本人の努力や常識感が立ち行かない世界。極め付けは外務省。官舎で過ごす夫人もこの渦に巻き込まれ、階級差別的な要素が加わることで、独特の社会が形成されている。男性中心で築き上げられてきた、この不条理な世界も、女性官僚が数の上で進出していくことで、新たな地平線が開けることを期待したい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2020年9月17日
読了日 : 2020年9月17日
本棚登録日 : 2020年2月17日

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