AKB商法とは何だったのか

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本棚登録 : 94
レビュー : 10
著者 :
kengochiさん 社会   読み終わった 

非常に優れたアイドルの歴史本だった。実際多く取り上げられているのはAKBの話ではあるが、「AKB商法」と呼ばれるものがどういうものであるのか、あるいはそもそも「アイドル」とはなんであるのか、といったところを南沙織から山口百恵、松田聖子、安室奈美恵、モーニング娘。からAKB、ももクロ、エビ中、BiS、に至るまで、それらの時代時代の特徴と、女性アイドル以外の音楽シーンとの関連性もあわせて評論していた。メディアアイドルからリアリティショーを通過してのライブアイドルという流れについてもとても納得度が高かったし、1971年以降の日本の「ポピュラー音楽の歴史」を解説した本としても面白い。

「今の音楽業界は曲と歌、つまり芸術の素朴な価値を語りながらも実際には単にCDの売上を至上としている。そして、その尺度では捉えきれないものが既に音楽シーンには台頭しつつ、黙殺されている。 AKBはその実情に即した戦略を採らなければ自分たちの活動が広く認められることはないのだと自覚した。だから彼女たちは CDを売らんがために「AKB商法」へ乗り出したのだ。それは今の音楽業界に対する、アイドルから提示された率直な回答として見ることができるし、現状に正確に対応したやり方だからこそ、うまくいったに違いない。 - 70ページ」

出版業界でオマケ付きのムック本が流行ってきて、宝島社が一部から叩かれていたのと似たような構造を感じる。下降気味の業界にあって、ものすごく適応した商売の仕方が嫌悪されるというような話。

一点だけ残念だなと思ったのは、タイトルはミスってるんじゃないのかなーというところ。なんとなくアンチAKBっぽく受けとる人もいるんじゃないかと思うけど、実際はそんな要素はないわけで、AKBの歴史自体も丁寧に書いてあったし、ちょっとそこで損してしまってるような気はする。

僕はアイドルそのものよりもアイドル論を楽しむようなタイプなので、そんな自分にとってはど真ん中の本だった。AKB以外のアイドルが好きな人にもおすすめします。

レビュー投稿日
2013年6月12日
読了日
2013年6月11日
本棚登録日
2013年6月10日
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