カスバの男 モロッコ旅日記 (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2004年7月21日発売)
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本棚登録 : 403
感想 : 41

・モロッコでこうして音楽を聴いていると,やはり人間好奇心を持ち,さまざまな場所へ積極的に行き,自分で見聞してからでないと無責任なことは言うべきではないと痛感する。日本は異常に情報に取り囲まれているので,本屋で本を手にしCDビルで外国の音を耳にし,日本から一歩も出ることなく自分の意見を言いたがる傾向にあるが,やはり意見を言うのならまず,そこへ行かなければ話にならない。アタマで理解することと,人間としての感覚とのバランスは重要だ。
・昔,香港でも思ったことだが,海がそこにあるということはなにか絶対的な浄化作用を街に及ぼす。どんないやなことがあっても海風にあたるとなぜか気が楽になるものだ。僕は都市にいながらあたる海風の方が自然の中であたるよりたくさんのインスピレーションが得られるような気がする。都市と自然には違った種類の海風が吹くのかもしれない。
・ケモノは自分で作ろうと思ってケモノ道は作らない。ただ毎日そこを歩くだけだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2011年5月20日
読了日 : 2015年1月18日
本棚登録日 : 2011年4月28日

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