ゾウの時間ネズミの時間: サイズの生物学 (中公新書 1087)

著者 :
  • 中央公論新社 (1992年8月1日発売)
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本棚登録 : 5003
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体の大きさに応じて「時間の流れが変わる」というところを切り口に,色々な種族で世界観が異なることを紹介している.生物学者としては「それぞれの世界観を意識し想像してこそ他種族と交流がもてる」という考え方のようだ.中の一節に少しだけロボットのこともあり,「人の世界観を理解し,人の流れる時間を意識することで人にやさしいロボットが出来るのではないか?ロボット・機械は人と同じサイズながら人よりももっと早く動くことができる.それは高性能かもしれないが,流れる時間が違うということは人と共に生きていない.『動物に似せたロボットを作るときに,体長に合わせて歩く速度を決めたりしただろうか?(p.134)』」と書いてあり面白い. 時間の話だけでなく,体の大きさに応じて体のシステムの在り方もそれぞれ異なっていることなども書いてあり,とても勉強になる本.

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2020年7月16日
読了日 : 2020年7月16日
本棚登録日 : 2020年6月24日

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