ネット・バカ インターネットがわたしたちの脳にしていること

  • 青土社 (2010年7月23日発売)
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ITにケチつける人、ニコラス・G・カーの「ネット・バカ」を読む。題名だけ見たらトンデモ本みたいやけど、内容はなかなかどうして。主に最新の脳科学の知見を元に、ウェブに依存し過ぎることの弊害について書かれとります。おっ!と思ったのは以下の2つ。

①神経可塑性、と言われると何か良く分からへんけど、脳の神経回路は、成人後も習慣に従い変化し続けるとのこと。極端な例では、後天的に失明した人の場合は視覚をつかさどる脳の箇所が、聴覚を処理するように変化するらしい。

②長期記憶を定着させるには、一度に情報を詰め込み過ぎると逆効果。読書くらいの情報量が丁度良いそう。ウェブブラウジングしてる際に受け取る情報量は、長期記憶を定着させるには多過ぎるみたいです。

ハイパーリンク、画面の隅で自己主張するバナー広告、SNSやメールの通知、RSSフィード、などなど。で、ウェブに依存し過ぎると、目の前の情報を素早く処理する能力は強化されるけれども、深く考える集中力が衰えていく可能性が。。。

本の発明で人間の知的レベルは大きく進歩したけど、ウェブの発明で人間はどう変わっていくんだろう、という漠たる不安でこの本はしめくくられます。とはいえ、今更昔に戻れないのも事実。読書する習慣は続けようと思いますた。「我々は道具を作り、そのうち道具が我々を作る」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: サイエンス
感想投稿日 : 2013年2月18日
読了日 : 2012年4月19日
本棚登録日 : 2013年2月18日

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