- 日本の歴史をよみなおす(全) (ちくま学芸文庫)
- 網野善彦
- 筑摩書房 / 2005年7月6日発売
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漠然と義務教育レベルでの日本史の感覚のままであったので
歴史学の狭間で埋もれていた事象と、考証の陥穽もあり染み付いた固定観念的な日本人像について
「捉え直す」「考え直す」というダイナミズムに触れられる。
2022年5月10日
- 世にも危険な医療の世界史 (文春e-book)
- リディア・ケイン
- 文藝春秋 / 2019年4月18日発売
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権力者が手ずから毒を求める悲劇もあれば、害はなくプラシーボが効能として見られた治療術、ビジネスありきで広められた医療が大小様々な社会的影響を与えた事例など。
我々が現在よかれと思っていることにも専門家でない人々には魔術との違いがさしてないものもあるのだろう。
2022年5月10日
- あてはめるだけで“すぐ”伝わる 説明組み立て図鑑
- 犬塚壮志
- SBクリエイティブ / 2021年11月24日発売
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まあそうだよねと事例を学ぶことと、またそれを活かすことの差異は大きいのではとふと。
2022年5月10日
- 国民の底意地の悪さが、日本経済低迷の元凶 (幻冬舎新書)
- 加谷珪一
- 幻冬舎 / 2022年1月26日発売
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数十年単位の経済低迷における即物的な要因においては
「失敗学」じみたトピックで見る回答に近く違和感が出るものでもない。
隣の芝はといった側面もあろうが、データ調査に基づく日本人の精神性と経済低迷の連関自体には多少なり結びつくものもあると思う。
その中でかつての高度経済成長がいかようにもたらされたか、データから象られる日本人像が景気の「気」を上昇させるようには現在の感覚からつかみにくいものの
一方でなにかの書籍では「ムラ社会的」「前近代的家族」「家父長主義」に基づく一定の独自性が失われた嘆きを投げかけてもいたりして、外的要因の大きさもあるだろうが無形の精神を変容させることの難儀さもあり確固たる答えに至りづらいだろう。
その中で末尾に連ねた今後の指向性は一定のベクトルで光指す方向を示したものになっているようには思う。
2022年5月10日
個人的には「競馬に一家言ある文士」を通して、「競走馬名からも隔世の感が覗く時代」における競馬文化の一側面に触れられるのは貴重。
筆者のエピソードとしても、研究者としてだけでない市井の一面も面白い。
2022年5月10日
- 【ビジネス書大賞2020 特別賞受賞作】哲学と宗教全史
- 出口治明
- ダイヤモンド社 / 2019年8月7日発売
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- 老人支配国家 日本の危機 (文春新書)
- エマニュエル・トッド
- 文藝春秋 / 2021年11月18日発売
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あまり表題に沿った内容ではない。
著者自身については名前を聞いたことがある程度で、学者としての世界の兆候への発想点(死亡率)は面白いものがあると感じた。
主張自体には正否はともあれ、立ち位置の違いによる真新しさもある。
2022年5月3日
- 「新しさ」の日本思想史 ――進歩志向の系譜を探る (ちくま新書)
- 西田知己
- 筑摩書房 / 2022年2月9日発売
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科学や社会分野のそれに比べて、芸術・文学の事例には疎い。
「新しい」ことにまつわる字義の変遷から、各分野における進歩の課程を捉え直す機会として。
2022年5月3日
- 時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。
- 和田靜香
- 左右社 / 2021年9月7日発売
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政治談義の著作の中では、インタビュアーと政治家の関係性が、筆者のスタイルによって特有のものとなっており真に迫る議論が繰り広げられている。
それ故の構成の難しさもあったろうが、うまくまとめられている。
2022年5月3日
淡々とした生活を淡々と連ねる。
著名人の奇人ぶりを曝け出すわけでもないため、見知った人物についての雑学程度の感覚。
2022年5月3日
- 喜嶋先生の静かな世界 The Silent World of Dr.Kishima (講談社文庫)
- 森博嗣
- 講談社 / 2013年10月16日発売
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時代や専門領域の学究の徒としての空気感がすんなりと流れ込んでくる。
筆者の経歴の転身部分が覗きたくて読み始めたが、いくらかの示唆にはなった。
2022年5月3日
- 人間的なアルファベット (講談社文庫)
- 丸谷才一
- 講談社 / 2013年3月15日発売
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刊行の経緯からも、さすがの博覧強記ぶり。
すべてが個々人にヒットするかは別にしても面白い。
2022年5月3日
- 人類の起源 古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」 (中公新書)
- 篠田謙一
- 中央公論新社 / 2022年2月25日発売
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表題の「人類の起源」そのものや、それから派生した現代における人種や民族の捉え方は一般的な日本人の感覚からして縁遠いものでもあるが
紀元というスケールより深遠な歴史上の希少な遺物を基にして、科学の進展に伴いながら、文字通り雲をつかむような途方もない実証の試みであることを認識。
2022年4月26日
- 天才たちのつくった単位の世界 (綜合ムック)
- スコラマガジン
- スコラマガジン / 2016年12月21日発売
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科学の諸分野を司る基本単位の成り立ち。その発展の歴史から雑学的な要素まで。
2022年4月26日
- どんな場面も切り抜ける!公務員の議会答弁術
- 森下寿
- 学陽書房 / 2017年10月30日発売
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公務員の業務のあれこれ。失敗例を交えながら。
2022年4月26日
- 世界「失敗」製品図鑑 「攻めた失敗」20例でわかる成功への近道
- 荒木博行
- 日経BP / 2021年10月14日発売
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機転を利かせた華々しい成功譚と比較すると
仔細に分析を施した失敗例のほうが
ストーリーとしての蓋然性が高くなり趣向が深いと思う。
2022年4月26日
- 物価とは何か (講談社選書メチエ)
- 渡辺努
- 講談社 / 2022年1月13日発売
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著者も断りを入れるように物価理論という経済「学」の中の「理論」という領域に足を踏み入れるとなると
本来なら経済学の麓を踏破してから続く道筋であろうことは至極当然である。
その中でも紙幅や読者層の都合の中で「日常生活に密接する問題としての物価について知見を得たい」という自身の欲求を満たす上で
整然としながらも問題の親近感や興趣を取り上げ、テーマ自体の特性もあろうが「○○とはなにか」という学問の領分を取り扱う著作としては読み進めるのにいたく苦労が少なかった。
経済という大洋を意識裡におかずとも生活を送ることは可能にせよ、物価に囲まれずに生活を送ることは不可能であり
それは人間生活の手元に訪れる水という資源のあり方に近いかもしれない。
2022年4月18日
- 21世紀の啓蒙 下: 理性、科学、ヒューマニズム、進歩
- スティーブン・ピンカー
- 草思社 / 2019年12月18日発売
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終章にあたって総括と主張のステージに登ると、なかなか読破には骨が折れた印象。
2022年4月26日
- 21世紀の啓蒙 上: 理性、科学、ヒューマニズム、進歩
- スティーブンピンカー
- 草思社 / 2019年12月18日発売
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後巻未読。
ここ数年の激動の時代(と捉えうること自体も各人の認識が基底にされる)において
改めて世界の来し方行く末を捉えようとする際に
悲観の坂を転がり落ちるばかりでも良くはないだろうと。
2022年4月18日
絵画評は読んだことがなかったので新鮮。
2022年4月18日
- 絵具屋の女房 (文春文庫)
- 丸谷才一
- 文藝春秋 / 2007年3月10日発売
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フラっと手に取ってみて。
あまり手を伸ばそうとしない主題について知れる。
2022年4月18日
- 海外メディアは見た 不思議の国ニッポン 新しい世界 (講談社現代新書)
- クーリエ・ジャポン
- 講談社 / 2022年2月16日発売
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普段覗くことのない界隈の取材対象であったり
内側からは意識しないニッポン特有の事象への気付きもあるが
多様なテーマから引っ張る都合上、掘り下げはそこまでなので興味が湧いたらまた別の何かで。
2022年4月18日
- 諦めの価値 (朝日新書)
- 森博嗣
- 朝日新聞出版 / 2021年8月12日発売
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流し読み。
おそらく著者個人のエピソードが面白いといった又聞きで存在を記憶していたのだろうが
書籍というビジネスとしての立場上、聴衆に語りかける形態に比重が置かれているが
なるほど著者自身の生き様や思想それ自体がいい意味で近寄りがたい熾烈さで
そういった類の話だけ編まれた(ビジネス上需要が見込めるかは・・・な)淡々とした自伝的作品も読みたいと思った。
2022年4月18日
- 脳とAI-言語と思考へのアプローチ (中公選書 125)
- 酒井邦嘉
- 中央公論新社 / 2022年1月7日発売
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AIというワードに食いついたところ
言語学や神経科学の素養が割りと必要とされている感があった。
チョムスキーがいくらか知ることが出来たのでまぁいいか。
2022年4月11日