経済学思考の技術 ― 論理・経済理論・データを使って考える

著者 :
  • ダイヤモンド社 (2003年12月11日発売)
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感想 : 23
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タイトルが面白かったので手にとった。経済学思考以前の論理的思考に関する記述がなかなか面白い。「たとえ話」は自分に都合の良い方向にもっていけるし、ことわざや故事も世の中には大抵相反するものが存在するので当てにならない、という部分は説得力がある。

経済学で使われる視点がコンパクトにまとまっているところが良い。一方、90年代以降の日本経済の解釈と処方箋の議論に入ると、デフレが問題であってインフレ・ターゲットをはじめとするリフレ政策が有効という主張にまとめあげていく、ところに違和感を覚えた。

デフレが問題であることに異論はないし、リフレが有効という議論の仕方も分かるけれど、インフレ・ターゲットについては、経済学者の間でも様々な議論がなされているようなので、読者層を考えれば、それぞれの論点を併記すべきなのではないかと思った。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 経済
感想投稿日 : 2010年6月19日
読了日 : 2010年6月19日
本棚登録日 : 2010年6月2日

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