日本の地下人脈: 戦後をつくった陰の男たち (祥伝社文庫 い 15-1)

  • 祥伝社 (2007年7月1日発売)
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感想 : 5
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過去の人間関係の探索・追求から当時の事件や歴史を分析・解明するという手法で描かれている。
著者の岩川は週間文春で広大出身記者の梶山季之から継承された取材手法で書いていく。ポイントの人を探り当てひたすら話を聞く、多くの人に会いそれぞれの話の交錯する部分を論点として汲み上げストーリーを組み立てる。常識的ではあるがこの基本を徹底することで(一日五人の話を聞け)歴史の真実に迫る。
大戦中の満州帝国における岸信介や星野直樹、引揚者や特務機関関係者のその後、上海における児玉誉士夫の暗躍と人脈、中曽根康弘の人物観と海軍人脈等々テーマごとに詳しく解明されている。各人の人脈の連なりと敗戦後の帰趨も丁寧に見ていく。しかし決定的に新しい話題は見られず、既知の範囲内での話が多い。
著者の論調としては岸信介が最も政治家としての器が大きな人物であったようだ。中曽根康弘は東條や星野と同じ官僚的エリートの小人物であり、児玉誉二夫も戦後のどさくさをうまく立ち回った政商に過ぎないということのようだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年9月1日
読了日 : 2016年10月14日
本棚登録日 : 2017年1月27日

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