スルガ銀行 かぼちゃの馬車事件 ―四四〇億円の借金帳消しを勝ち取った男たち

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kgmrさん  未設定  未設定

「かぼちゃの馬車」事件は不動産融資を拡大したいスルガ銀行にディベロッパーであるスマートデイズの当時代表だった佐藤太治が近づき、両者が共謀して行われた巨大詐欺事件。仲介業者、販売会社、建築業者も関係し合い、概要をつかむのが大変なのだが、狭小アパートを販売していたガヤルドというディベロッパーも同じスキームで詐欺行為を行っていたようで、ここにあるチャート図を読めば詐欺の概要はつかめる。ガヤルド社長の床西紀彦も佐藤と同じやり方で何十人もの投資家を騙していたようだ。
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1808/20/news043.htm

本書の読みどころは、被害者たちを救った河合弘之氏を中心とした弁護士団とSS同盟(被害者の会)、彼らとスルガ銀行の戦いの場面。事件当時、投資家たちの自業自得という報道も見かけたが、第三者委員会の報告書にあるスルガの信じられない不良蛮行の数々を読んで、投資家たちは完全な被害者だと感じた。
河合氏の、「戦い方を知っている、正義はこっちにある」という潔い戦い方がとても痛快。スマートデイズを追い込んでもせいぜい数千万を返却が望める程度だから、スルガ銀行に対して代物弁済要求をするという方針をいち早く決めて行動する。初めてのデモで怖じ気づく被害者の会のメンバーたちに対して「こうやるんだ!」と自らマイクを持って叫ぶ。株主総会では経営者を被害者たちとともに徹底的に追い込む。最終的にスルガは代物弁済を認め、被害者らは救われる。
そして被害者らは自分たち以外の詐欺被害者を救済するために、SS同盟ReBornを作り、河合氏らの手伝いをするという。P323にある、河合氏がSS感謝の会で最後に語った言葉に心を打たれた。
犯罪ドキュメントとしても、人間ドラマとしても読み応えのある1冊だった。

レビュー投稿日
2021年2月23日
本棚登録日
2021年2月23日
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