アマニタ・パンセリナ (集英社文庫)

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本棚登録 : 1052
レビュー : 120
著者 :
ますいけさん エッセイ   読み終わった 

この本を読んだのは大学一年生の(何年前だ?)の夏休みだった。父親の店(居酒屋)でバイトをしていた時だ。
文庫版をエプロンのポケットに入れて読んでいたせいか紙がふやけてしまっている。その父の店でバイトをした夏休みの匂いも込みでこの本は愛おしい。

つるりと話してしまうと、作者が「しばらく、クスリの事を書いてみよう」と言って書いたものなので、合法違法含めいろんな薬について書かれている。

今でこそそういう作用のある薬や毒物に対する知識がある自分だが、これを読んだ時にはタバコと酒をたしなむくらいで「あ、自分悪いことしてる。」と気分が少しばかり高揚するくらいだった。若かった。

”はじめに”を読み進めていくと「ガマなめ」について話されているが、要するに、そういう作用のある「カエル」を「舐めてみよう」ということである。本文をすべて読めばわかるのだが、カエルを舐めなくても、違う意味で新聞に載るような経験がしっかりと書かれている。

しかし作者はその本文すべてに巻き散らかされた”新聞に載りそうな行為”ではなく、カエルを舐める事を「もしこんなことで死んだら新聞に載る」→「孫がグレる」とあきらめるのだ。
四六のガマか、自来也か。と思いつつも、ぺらりと一ページめくってみると
「中島らもガマ吸って死ぬ」
という一文が!!”ガマ”すって死んじまった事実をいかにも新聞に載りそうな文章で書き、それをここぞとばかりによいタイミングで見せられると、これほどまでに笑いの発作をおこすことか!
残念ながら、自分がもっているのは文庫版なので、ページをめくり偶然にこの現象が起きたのかもしれないけれど、ぺらりとめくってそのページの一文目が「ガマ吸って死ぬ」のフレーズだったは衝撃的だった。

何度読んでも、初めて読んだ時と同じく「そんなことで死んだら新聞に載る。」→ページをめくる→「ガマ吸って死ぬ→孫がグレるのくだりで爆笑だ。
当時も我ながらよく台所で客の酒宴の声をBGMに湧き上がってくる笑いをこらえたものだ。

ここまで書いておきながらまだ「はじめに」の話題なのだ。本文には色々な薬物に関するエッセイが書いてある。もっともっとこの本については語りたいものだがあまりにネタバレして本文を読む楽しみを奪ってはいけない。

レビュー投稿日
2016年3月13日
読了日
-
本棚登録日
2016年3月13日
1
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