実は、おげれつたなか先生は、某部活動BLから読み始めたので、こういう繊細な作品が持ち味だとは知りませんでした…。
錆びた夜でも〜の方でも書いたのですが、とにかくタイトルが美しい。タイトルだけでもごはんが食べられそうなくらい、美しい。
表題作のほかに、錆びた〜の方ではDVをふるっていたかんちゃんが受けになるお話が入っています。後者が目当てで買いました。
表題作は、攻めが結構毛深くて、すね毛とかもしっかり描かれていて、対する受けは体毛が薄いという、小説とかだとありがちな描写が、大変麗しく。「これからなにされると思う?」のくだりは、悲鳴が漏れるくらい萌えました。
かんちゃんが主役のほどける怪物。前作では、死んだ目で暴力を振るっていたかんちゃんですが、個人的には、弓に別れてくれ、でないと…というシーンが印象的でした。
秀那は弓とは違った意味でのコミュニケーション強者で(本当はそうでもないみたいですが、この短編ではそう描かれています。かんちゃんからは、そう見えたということでしょうか)傷ついて丸まろうとするかんちゃんの殻を時に破り、時に撫でて、時にはわざと傷つけて、弓と一緒にいたときには克服できなかった自責の念から解放してあげたように思いました。
かんちゃんの告白シーンからの、ベッドでの泣き笑いは、久しぶりに漫画でもらい泣きしましたし、下手にすべての問題を解決せずに終わったのも素晴らしいと思います。
それとは別で、かんちゃんがエロかったです。あれは秀那でなくてもハマるだろう…とゲンドウポーズでため息をつきたくなるくらい、エロかったです。
あと秀那が、裏表紙を見る限りでは好みではなかったので(失礼!)ノーマークだったんですが、がっつり持っていかれました。強引で、でも気遣いのできる、たまに意地悪な年下攻めとか、白目を剥いて気絶するほど好みです。スーツを返したいかんちゃんに意地悪を言う秀那が、かんちゃんはそれどころじゃないんだよ、なに意地悪言ってんだよおまえ、こここそ空気読むところだろ、なんだよいきなりその意地悪加減、かんちゃんに振り回されまくってただろ、最高かよ!って頭がパンクするかと思いました。
今のところ、おげれつ先生の作品では、これが一番好きです。
- 感想投稿日 : 2017年12月19日
- 読了日 : 2017年12月19日
- 本棚登録日 : 2017年12月19日
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