ゲーム・オブ・スローンズ 第四章:戦乱の嵐-後編- DVD コンプリート・ボックス (5枚組)
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見始めてから、色々とネタバレを見てしまったり読んでしまったり聞いてしまったりしたので、四章の中で驚くということはなかったのですが、でも王都での結婚式は知っていたにも関わらず少なからずびっくりしました。本当に退場しちゃうんだ…という気持ちと、あんなに悪人でも毒には倒れるのか…という気持ちと、そして悪役だろうとなんであろうと、誰かが苦しむ姿は見ていて気分が悪いものだなという気持ちと。
ここまで、一番の悪役と言っても過言ではなくて、権力をよくもここまで悪用できるなというキャラだったのに、彼がいなくなってもちっとも状況が好転しないのが悲しいです。むしろ、悪化していくのが見ていて辛かったです。
どのキャラにも思惑があって、善人・悪人と一筋縄ではいかないのがすごくリアルです。サーセイの子供を思う気持ちなんかは本物だと思うし、行動の出どころは綺麗なのに、どうしてああいう暴挙や暴言につながるのかがずっと謎だったのですが、終盤でティリオンが「(サーセイは)純粋な動機から邪悪な行動に出る」と言っていて、なるほどとひどく納得しました。
歴史は勝者にのみ書き換える権限が与えられるのだと、つくづく思わされます。そして勝者が変われば、正義も変わり、普遍的な価値観というものはないのだろうかと思わされます。
四章で特に感じたのは、愛はとても素晴らしいもので、全てを許し得るものではあるけれど、紙一重の境目を越してしまうと「嫉妬」に転じてしまうのだなと。そして、「愛」を経た「嫉妬」こそ恐ろしいものは、破滅的なものはないのだ…とライサやシェイを見ていて思いました。
シェイとティリオンの最後のシーン、悲しいのですが構図がとても美しくて、それがまたとても悲しかったです。シェイはティリオンを信じきれなかったのか、それとも初めから信じていなかったのか、それとも、ただただティリオンへの愛がシェイ自身を蝕んでしまったのか。そのあとの展開も含めて、とても考えさせられる終わりでした。
- 感想投稿日 : 2018年3月12日
- 読了日 : 2018年3月12日
- 本棚登録日 : 2018年3月12日
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