ざしきわらし (えほん遠野物語)

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レビュー : 24
キミドリさん 本・雑誌   読み終わった 

 子供のために借りる絵本を探しに、仕事帰りに図書館に寄った。候補の本は数冊ピックアップしてあったのだが、ことごとく貸し出し中だったり、館内にあるはずなのに見当たらなかったり。
 で、ふとブックスタンドに立てかけてあったこの本に目が行って、借りて帰ることにした。
 表題の通り座敷童に関する言い伝えを絵本にしたものである。
 
 座敷童は家に幸運(特に富)をもたらす神様だが、彼らが出て行ってしまうとその家はあっという間に廃れてしまう、という考えようによってはなかなかシビアな神様である。いまでも東北には出る旅館があるというのは有名な話(そして、近年、座敷童の出る部屋の値段を釣り上げていたその旅館が家事にあったというのもまた同様)。

 うちのダンナさんがだーーいぶ以前に「君には座敷童がついている」と人に言われたことがあるらしく、我が家では座敷童の話題はそこそこ頻繁に出てくる。
 うちのダンナさんは、線が細いし、そうそう元気そうなタイプでもないので、遊び盛りの子供(もちろん見た目が子供なだけで実際の精神年齢は定かではないが)にとっては遊び相手としては物足りないんじゃないかと思うけど。
 ただ、ダンナと結婚して、ささやかながら収入も上がり、不妊治療で苦労もしたが双子にも恵まれたので、ひょっとしたら、そういう恩恵もあるかもしれない。
 ダンナの脳内では彼の座敷童は身長は1メートルにも満たない、色白の腕白な男の子なんだそうな。

 それはともかく。
 話の内容は「座敷童が出て行った家はあっけなく全滅した」ということなのだが、町田氏の、怖いのだが郷愁を感じさせる絵と相まって、つい目の離せない魅力を醸し出している。

 読み終わった後、「なんで座敷わらひってこんなことするんだろうね?」っていったら彼が「誘惑に耐えうる人間たちかどうか、試してるんだろう」とぼそっと一言。
 たしかに、そうとも言えるかもしれない。

 この絵本では、滅びた家の主がそこそこ小心かもしくは、それなりに誠実な人間であったことをうかがわせる記述はあるが、詳細には描かれていない。座敷童が出て行ってしまうような欲どおしいことをしたかどうかも描かれていない。
 そのあたりが、聞き書きのリアリティのようなものを高めているとも、言えなくもない。
 どちらにしろ、大人のための絵本である。

レビュー投稿日
2018年12月22日
読了日
2017年2月9日
本棚登録日
2018年12月22日
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