ロマンス小説の七日間 (角川文庫)

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本棚登録 : 3240
レビュー : 470
著者 :
制作 : こなみ 詔子 
キーさん 小説   読み終わった 

ハーレクイン・ロマンスならぬコロンバイン・ロマンス作品の翻訳を生業とする若い女性をヒロインにしたお仕事小説。かと思って読んでいたら、あとがきで、恋愛小説の依頼で書かれた作品だと判明。2003年、角川文庫書き下ろし作品。
ヒロイン・あかりが翻訳する中世ロマンス作品(一章~七章)と、翻訳入稿直前のあかりの実生活(一日目~七日目)が交互に書かれるという構成。実生活では、半同棲中の彼氏・神名が突然会社を辞めたり、二人の呑み仲間まさみちゃんが神名にちょっかいを出していると疑ったり、神名が海外放浪の旅に出ようとしていることがわかったり、挙げ句にケンカをしたり、という七日間が描かれます。その実生活のゴタゴタからか、翻訳作品パートが、予定調和のロマンス作品の翻訳から逸脱して、あかりの創作した予定調和から外れた作品に変化してしまうところが面白い。ただ、この辺りの本当の面白さが理解出来るのは、ハーレクイン・ロマンスの内容のパターンがわかるくらい読んでいる女性ではないですかね。
全体的に、ユーモア感覚とパロディ感覚に溢れた作品で、自分が三浦しをん作品に期待するものとはちょっと違いましたけど、ケンカをした次の日のあかりが自己を内省する「五日目」は、同時期の三浦しをん作品『秘密の花園』に通じるような雰囲気。この「五日目」があることで、ただの面白小説では済まない作品になっていたと思いますよ。

レビュー投稿日
2018年11月6日
読了日
-
本棚登録日
2018年11月6日
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