表紙と夏の魔法というタイトルに惹かれて読み始めた。19歳引きこもりの悠平が、離婚し4歳ぶりに再会する父親が営む那須の牧場に行き、酪農を通して成長していくストーリー。まず酪農の仕事の大変さをこの本を通して知り、当たり前のように牛乳が買える環境に感謝したいと思った。高い牛乳ほど、飼育にも手間が掛かっていることが分かり、ありがたく飲ませてもらおうと思った。牛肉は高いと文句を言っていたけど、乳が出なくなった牛が食用にされるんだから、スーパーで牛肉を見た時、今までお疲れ様でしたと思わず思ってしまった。
狂牛病の話は読んでいて心が痛かった。人間ほど残酷卑劣な生き物はいない、そう感じた。悠平が出産を立ち会った赤ちゃん牛、エンジェルの最後は残酷で悲しかった。でもこの結果が、無知の恐ろしさと、自分の行動には責任が伴うことを学べ、転機となったと思う。晴子先生が素晴らしかった。失敗しない人間なんていない、大切なのは失敗したあと、どう行動できるかなんだと思う。自分はまだ親ではないけれど、将来子供ができたら、いろんなことを体験させ、成長させたいと感じさせてくれた作品でした。悠平が最後手紙で、親父、と書いたのが泣けた。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年11月5日
- 読了日 : 2024年11月5日
- 本棚登録日 : 2024年11月5日
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