シャドウ・ワーク―生活のあり方を問う (岩波現代文庫)

  • 岩波書店 (2006年9月15日発売)
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本棚登録 : 158
感想 : 12

貨幣交換的なやりとりが支配的な現在の社会の中で、貨幣的でない交換形態をいかに実現するか。そのことを考えていきたいと思うのだが、本書では、あまりそのことについては触れられていないようである。以下の文章をヒントにしつつ、このことについて具体的な事例に即しつつ考えていくのが、私たちの仕事なのかもしれない。

「成長志向型の仕事は、その活動が賃金の支払われるものであるとなかろうと、いやおうなしに活動の企画化と管理をもたらすのである。
 コミュニティが人間生活の自立と自存を試行する生活の仕方を選ぶときには、いまとは正反対の仕事観が広がってくる。その場合には開発を逆転させること、消費財をその人自身の行動に置きかえること、産業的な道具を生き生きした共生の道具に帰ることが目標となる。そこでは賃労働と<シャドウ・ワーク>はそれこそ影をひそめるだろう。なぜなら、賃労働と<シャドウ・ワーク>によって生み出される生産物である商品やサーヴィスは、ひとつの目標すなわち従順な消費として評価されるよりも、むしろ主として、創意に富んだ活動のための手段として評価されるからである。そうなると、レコードよりもギターが、教室よりも図書館が、スーパーマーケットで選んだものよりは裏庭でとれたもののほうが、価値あるものとされる。」(pp.51-52)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文化
感想投稿日 : 2012年3月27日
読了日 : 2012年1月27日
本棚登録日 : 2011年12月17日

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