はるがいったら (集英社文庫)

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本棚登録 : 1677
レビュー : 251
著者 :
けんさん 日本文学   読み終わった 

この人の小説を読んでいて、いつも思うのは、「あるある!」「わかる!」と素直に共感できることだ。

さらに、よくその微妙な心の動きを、こんな言葉で表すことができるよな……という関心と尊敬。時には、その「あるある」が自分に向けられているような時もあり、自分の欠点に目がいくこともあり、反省したり。
とにかく作家の洞察力・人間観察力には目を見張るものがある。

完璧主義の社会人2年目の姉と年老いた飼い犬の介護を一人で背負う高3の弟の姉弟を中心に、それぞれが抱える人間関係を描くドラマだ。彼らの問題は大なり小なりシリアスなものだけれど、この作者ならではの空気感が心地よいので、暗い話でも読みやすいのだ。

人を表面的にしか判断できないのは、作中の人物だけではないだろうし、私自身もそうだ。実際に話してみたら、案外いいやつだった、ということはあることだろう。私も一皮むけねば、と思うに至る作品だった。

レビュー投稿日
2014年5月3日
読了日
2014年5月3日
本棚登録日
2014年5月3日
4
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