風の影 下 (集英社文庫)

  • 集英社 (2006年7月20日発売)
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本棚登録 : 1382
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内戦の影が徐々に迫りくる、バルセロナの描写に息苦しさを覚えた。

過去に生きていた人々と、現在を生きる人々の思惑が交わり、悲劇的な結末に向かっていくスピードは、エロスとタナトスに彩られ、カタルシスを感じずにはいられない。

一冊の本に巡り会ったことから、少年の人生は大きく変わっていったけれど、本にはそんな力があることを、思い出させてくれる物語だった。

難点は翻訳か?誰が話している台詞かわからなくなるところが多々あった。誰もが同じ口調なので、登場人物それぞれの性格を反映させてくれるとありがたいなあ。

本作品は、たった一冊で、ミステリ・恋愛・ホラー・サスペンス・冒険といろいろ味わえる。とてもコストパフォーマンスの高い小説だ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外文学
感想投稿日 : 2013年5月25日
読了日 : 2013年5月25日
本棚登録日 : 2013年5月25日

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