内戦の影が徐々に迫りくる、バルセロナの描写に息苦しさを覚えた。
過去に生きていた人々と、現在を生きる人々の思惑が交わり、悲劇的な結末に向かっていくスピードは、エロスとタナトスに彩られ、カタルシスを感じずにはいられない。
一冊の本に巡り会ったことから、少年の人生は大きく変わっていったけれど、本にはそんな力があることを、思い出させてくれる物語だった。
難点は翻訳か?誰が話している台詞かわからなくなるところが多々あった。誰もが同じ口調なので、登場人物それぞれの性格を反映させてくれるとありがたいなあ。
本作品は、たった一冊で、ミステリ・恋愛・ホラー・サスペンス・冒険といろいろ味わえる。とてもコストパフォーマンスの高い小説だ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
海外文学
- 感想投稿日 : 2013年5月25日
- 読了日 : 2013年5月25日
- 本棚登録日 : 2013年5月25日
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