ターン (新潮文庫)

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本棚登録 : 4180
レビュー : 524
著者 :
けんさん 日本文学   読み終わった 

素晴らしかった。
これはよかった。もっと若くに読んでいたかった。
タイムループものSFであると同時に、さわやかな青春小説でもある。

午後3時が訪れると、昨日の午後3時に戻ってしまう、永遠に一日を繰り返す世界にはまってしまった29歳の女性の物語だ。この29歳というのは女性にとっては特別な年齢であるはずだが、それを男性作家が書いているのだから恐れ入る。

一日過ごせば、また形あるものや生み出したものが全て元に戻ってしまうのなら、凡人ならまずやる気を削がれて、漫然と時を過ごすだろう。だが、この主人公の頑張りには、読者たる私に渇を入れるかのごとく、力を振り絞る。
これは極上のエンタメであると同時に最高の啓発書でもあると思う。

そして、いつも優しい視線で文章を紡ぐ北村氏だが、こういう優しい人が、牙を剥いたときが最も怖い。
クライマックスはホラー小説以上に戦慄した。

読んで良かった。

レビュー投稿日
2017年7月31日
読了日
2017年7月31日
本棚登録日
2017年7月31日
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