まず、タイトルは「夜に就て」と言い、「ついて」と読む。作者である、立原道造は24歳という若さでなくなってしまった。彼は、美感に優れており、作品中の詩と共には、青春という儚さや痛み、美しさを感じる。この本は、「夜」についての話である。主人公は、ゴンゴンという夢の中に忍び込むことができるなんとも不思議な男である。
最初は、ゴンゴンの夢物語、後半は、ゴンゴンがいなくなった後の夜についての話である。
恋バナが嫌いな人はたくさんいないだろう。タイトルの無難な感じとは少し考えられないくらい、読めば読むほど純粋な恋バナなので、一度読んでみてほしい。この作品の中でよく出てくる「少女」というのが、この作品のヒロインになるのだろう。作者の作り出した空想の恋人は、空想の恋人なので、どんなに求めても叶わない恋のようだ。特に、夜になると暗闇が筆者を襲い、切ない気持ちにさせてしまう。少し病んでいるようにも感じるが、筆者が持つ純粋で淡い恋心や、人間の生について考えさせられるなんだか意味深な内容である。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年1月28日
- 読了日 : 2020年1月28日
- 本棚登録日 : 2020年1月28日
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