父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。

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本棚登録 : 1848
レビュー : 104
制作 : 関 美和 
きのPさん お勉強   読み終わった 

【感想】
「経済の歴史」がテーマの、教科書チックな本。
なぜ地域差で、また同じ地域でもこれほど貧富の格差が生まれるのかなど、人類史をまじえて非常に分かりやすく書かれていた。
また寡頭制について、読んでいてピケティの資本論「r>g」を彷彿とさせた。
あと、「金融の黒魔術」とは本当によく言ったものだなーと思った。
ちょちょっとPCをイジるだけでお金が行ったり来たりするリスキーな世の中を揶揄するには、誠にうってつけの表現だ。

世の中にこれだけ経済の学習をする人々が多く、またみんな頭ではしっかりと理解しているのに、何故全員が豊かにならないのだろう?
答えは簡単だ。
結局は、世の中のルールを1番に作った者勝ちなのだ。そしてそれは世界にひと握りの人間だ。
もしくは、そのルールの網目を上手く(危険に?)すり抜けれた人の勝ちなのだ。
その他大勢はルールに翻弄されるのみで、どれほど頭が良くたって真の豊かさとは程遠い人生を歩むしかないのだ・・・・

勉強すればするだけ、リスキーなチャレンジしない事には格差を埋める事は出来ないと、読んでいて虚しくなってしまった。
そんなに悲観的になっても意味がないと思うが、たまにヘコんでしまう。
分相応レベルの幸せを目指して、今日も頑張ろう。。。


【内容まとめ】
1.言語」と「余剰」の二度の大きな飛躍
うなり声の代わりに言葉を使い、作物を育てるために土地を耕すようになった。
そして農作物の「余剰」が、人類を永遠に変えるような偉大な制度を生み出した。
文字、債務、通貨、国家、軍隊、宗教などだ。

2.寡頭制
→権力が集中するとさらに余剰が蓄積され、富が支配者に偏る。
寡頭制が延々と続くのは、支配階級がさらに経済や政治の権力を持ち、文化的にも力を持ち、その力を使ってさらに大きな余剰を独り占めできるからだ。

3.金融の黒魔術
借金は市場社会に欠かせない。借金がなければ利益も生まれず、利益が生まれなければ余剰もない。
しかし、数多くの企業が債務によって破綻すると、銀行は倒産したカウ者の数の「返済不能のローン」をますます抱え込む。
銀行が苦しいという噂が広がり、預金者の中には預金を引き出す人が増え始める。が、銀行はすべての引き出しに応じるだけの預金はない。
なぜなら銀行は、「魔法の杖」で何もないところから生み出したカネをまじえてローンを貸し付けていたからだ。

4.国債について
銀行が何より嫌うのは現金だ。金庫の中に眠っている利子を生まないカネを、銀行は何よりも嫌がる。
しかし、預金者が預金引き出しをする際に現金がないと、脆くも崩壊することもわかっている。
だから銀行は、すぐに現金に換えられる何かを手元に置いておく必要がある。国債はそれにぴったりなのだ。

人々が政府を信じている限り、国際には必ず買い手がつく。これほど安全で換金しやすい債権は他にない。
安全に利子を稼ぎ、商品としても使え、換金性がある。
国債は金融システムの潤滑剤だ。


【引用】
p26
・「言語」と「余剰」の二度の大きな飛躍
うなり声の代わりに言葉を使い、作物を育てるために土地を耕すようになった。
そして農作物の「余剰」が、人類を永遠に変えるような偉大な制度を生み出した。
文字、債務、通貨、国家、軍隊、宗教などだ。



p36
実はオーストラリアでもアメリカでも、先住民は侵略者に殺されるよりも、ウイルスに感染して死ぬことが多かった。
農耕の発達していない地域の種族は、何世代もの間にゆっくり生成される抗体がなく、疫病への耐性がなかったからだ。


p40
・地域内格差
寡頭制
→権力が集中するとさらに余剰が蓄積され、富が支配者に偏る。
寡頭制が延々と続くのは、支配階級がさらに経済や政治の権力を持ち、文化的にも力を持ち、その力を使ってさらに大きな余剰を独り占めできるからだ。


p48
商品とは、いくらかの金額で「売る」ものだ。市場価格とは、「交換価値」を反映したものだ。
が、どのサービスにもお金がつくというものではない。


p99
・金融の黒魔術
借金は市場社会に欠かせない。借金がなければ利益も生まれず、利益が生まれなければ余剰もない。
しかし、数多くの企業が債務によって破綻すると、銀行は倒産したカウ者の数の「返済不能のローン」をますます抱え込む。
銀行が苦しいという噂が広がり、預金者の中には預金を引き出す人が増え始める。が、銀行はすべての引き出しに応じるだけの預金はない。
なぜなら銀行は、「魔法の杖」で何もないところから生み出したカネをまじえてローンを貸し付けていたからだ。

金融危機の後に来るのは不況だ。
誰にも借金があり、誰もそれを返済できない。
お金持ちも先行き不透明のため、支出を抑えるようになる。
経済を前に進めていたプロセスが、今度は逆方向に回り始める。


p116
・国債について
銀行が何より嫌うのは現金だ。金庫の中に眠っている利子を生まないカネを、銀行は何よりも嫌がる。しかし、預金者が預金引き出しをする際に現金がないと、脆くも崩壊することもわかっている。
だから銀行は、すぐに現金に換えられる何かを手元に置いておく必要がある。国債はそれにぴったりなのだ。

人々が政府を信じている限り、国際には必ず買い手がつく。これほど安全で換金しやすい債権は他にない。
安全に利子を稼ぎ、商品としても使え、換金性がある。
国債は金融システムの潤滑剤だ。

レビュー投稿日
2019年6月24日
読了日
2019年6月24日
本棚登録日
2019年6月24日
6
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