日本史の内幕 - 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで (中公新書)

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本棚登録 : 851
レビュー : 109
著者 :
kinya3898さん 歴史   読み終わった 

先祖が戊辰戦争に参戦していたことを知った
15歳の磯田少年は「日本史の現場を見たい!」
と、地元の古書店に向けてペダルを漕ぐ。
500円で古文書解読事典を購入。
以来、様々な参戦者の残した記録を
解読していき、やがて眼前には
戊辰戦争の実像がありありと立ち昇る。
本書は著者がこれまで読み解いた
古文書を手掛かりとし、
山川の教科書には出てこない、
戦国期から江戸・幕末期にかけての「細部」に
フォーカスしたエピソード60話余を収録。

学校で学ぶ歴史は、日々の営為の集積記録を
「国造り」「戦さ」「政治行政政策」といった
視点で切り取ったものを概観しているに過ぎない。
ずっと戦さをしているわけではないのに
ついついそういう印象を抱く。
「安土桃山時代は昨日までで、
今日からは江戸時代なんだ!」なんて、
当時の人々は知ったこっちゃなく、
後世、学者が便宜上「政権交代と遷都」で
時代を区切ったに過ぎない。

著者の歴史開陳話が面白いのは、
フィルターのかかっている
二次・三次資料でない、
あくまでも一次史料の古文書の山に分け入り、
「真相」という果実を掌中に
しっかと収めているから。

例えば、家康が武田信玄に大敗を喫した
三方ヶ原の合戦も、家康の視点と信玄の視点で
書かれた古文書では、 群勢の数からして
まったく異なる。
そう、時の権力の都合で、
いつの世も情報は操作されるのである。

今日、我々が英雄と見なしている龍馬だって
徳川や会津側から見れば、
一介の浪人テロリストである。
歴史というのは実に振り幅が大きいことを
教えてくれる格好の書でありました。

レビュー投稿日
2018年4月9日
読了日
2018年4月9日
本棚登録日
2018年4月9日
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