辞書になった男 ケンボー先生と山田先生 (文春文庫)

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本棚登録 : 124
レビュー : 20
著者 :
kinya3898さん ノンフィクション   読み終わった 

昭和に誕生した2冊の国民的国語辞典「三省堂国語辞典」「新明解国語辞典」。この2冊の源流というか母胎は
昭和18年に出版された「明解国語辞典」。
この2冊「客観」と「主観」、「短文」と「長文」、
「現代的」と「規範的」、とにかく編集方針から
記述方式、辞書作りの哲学、それらすべてが性格が
異なり、似ても似つかぬ姉妹辞書が同じ親から誕生。
「辞書なんてどれも一緒である」は、この二冊限っては
小説同様「文は人なり」の言説が辞書にも通じること
なんだと教えてくれる。そこには編纂者の思いや性格が
ありありと滲み出ているからに他ならない。

本書は「明解国語辞典」を共に編纂してきた東大の
同級生であり、理想の国語辞典を目指し手を携えてきた
良き友であった見坊豪紀と山田忠雄がなぜ袂を分かち、
見坊(ケンボー)先生は「三省堂国語辞典」を、
山田先生は「新明解国語辞典」を作ったのか。

著者はわずかな手がかりを頼りに丹念に取材を進めるも
難航。ある日、思いもよらない証拠にぶち当たる。
それは、辞書に記載したある言葉の用例が昭和辞書史の
謎を解く鍵だった…

辞書界を揺るがせた最大の謎を上質なミステリーを
読んでいるかのような知的興奮を覚える一冊。
秋の夜長にどうぞ。

レビュー投稿日
2018年10月26日
読了日
2018年10月26日
本棚登録日
2018年10月26日
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