学校の「当たり前」をやめた。 ― 生徒も教師も変わる! 公立名門中学校長の改革 ―

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  • 時事通信社 (2018年12月1日発売)
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ちょっと斜に構えて流し読みしていたのだが、今回のコロナ騒ぎでじっくり本を読む時間ができたので、改めて読んで、勝手な思い込みに反省した。

現場の教員をずっと続け、その時その時の子どもたち同僚と向き合い続けて、どうして?いちばんの目的は?ということを自身に問い続けてきた筆者の地に足のついた内容で、共鳴できることが多かった。「目的と手段を取り違えない」「上位目標を忘れない」、「当たり前」なのだけれど、ふと立ち止まらないと素通りしてしまうことも現場では多いのかもしれない。たとえば「なぜ」定期テストを廃止したのか、「なぜ」オリエンテーション合宿を行うのか。「なぜ」学校はあるのかが語られていて、いくつも刺激を受けた。特に、世の中だって学校だって、様々な文化的・習慣的・民族的背景を持つ人、価値観を持つ人が集まって成り立っているのだから、「対立」が起きるのは「当たり前」。それをどう有機的に乗り越えさせる術を身につけられるようにするかという視点は、本当にそのとおりだと思った。

最近、個人的には「対話」という言葉がキーワードで、いろいろなこととつながってきている気がする。

世の中ってまんざらじゃないな。大人だって結構素敵だ!と年若い人たちが感じられるような「大人」でありたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2020年4月5日
読了日 : 2020年4月5日
本棚登録日 : 2020年4月5日

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