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キリギリスのしあわせ
- トーン・テレヘン
- 新潮社 / 2021年4月28日発売
- 本 / 本
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読む日によって考えさせられる。
キリギリスは本当に幸せなのか。
動物達の役に立てて
嬉しいと思う日もあるだろうけど
彼等のことを考えてやったことが
拒絶される時もある。
それも含めて幸せを感じているのだろうか。
2023年12月29日
前回も思ったけれど
映像として浮かんできた。
読みやすく読後感も爽やか。
ただ名探偵の祖父が
認知症がひどくなったら悲しいと思った。
いつまでも名探偵でいてほしい。
ドラマになったら嬉しい。
2023年12月23日
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悪い女 藤堂玲花、仮面の日々 (朝日文庫)
- 吉川英梨
- 朝日新聞出版 / 2023年9月7日発売
- 本 / 本
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玲花は悪女というイメージではなかった。
愛に飢えた可哀想な女性。
同じく愛に飢えた男性と出会い
別れ、そして再会して、、
離れられなくなっただけ。。
2023年12月23日
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誘拐の日 (ハーパーBOOKS)
- チョン・ヘヨン
- ハーパーコリンズ・ジャパン / 2021年6月17日発売
- 本 / 本
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まるで韓国ドラマを観ているかのように
情景が浮かんできて、さらさらと読めた。
(実際、Amazonプライムにドラマもある)
馬鹿がつくほど正直でお人好しのミョンジュン。
元妻のヘウンから唆され、
白血病の娘ヒエのために誘拐を決行するが、
誘拐する筈の少女を誤って轢いてしまう。
怪我はそれほどでもなかったが
目覚めた少女ロヒは記憶喪失になっていた。
何をやらせてもダメなミョンジュンと
人のいい彼をひっぱる?賢いロヒのコンビが
コメディタッチで描かれ、
並行して事件の捜査がシリアスに進んでいく。
それぞれの登場人物の思惑もあり、
物語がどうなるのか知りたくて
読む手が止まらない。
貧富の差や、それによってうまれる
人を人とも思わない行為、
そこで苦しむ人や恨みを募らせる人もいれば
自分の立場を利用する人もいる。
ただただ、ミョンジュン、
ヒエ、ロヒに穏やかな暮らしが
待っていますようにと願ってしまった。
2023年11月25日
今まで色々な韓国ドラマや映画を観てきた。
登場人物の多くが朝から晩まで働き、
みんなでワイワイお酒を飲んで、
酔い覚ましスープやハチミツ水を飲んで
また働いていて。
アクティブで凄いなあ、と思う反面、
自我が強いというか、
権利を振りかざして怒ったり喚いたり、
他人のせいにして自分を正当化したり、
そういう部分に辟易していた。
そんなドラマや映画ばかりではなく
静かに優しく物語が進むものもあって、
日本にはない表現の素晴らしさや
心を柔らかく包むような言葉の数々に
感動させられて詩集を購入したり。
この作品も
生まれた年代のせいで
ありふれた名前になってしまった
主人公の淡々とした物語で、
自己紹介が苦手だったり、
みんなと一緒に食事に行くのが嫌で
架空の友達を作り出し言い訳にしたり、
共感できるところが多かった。
彼女ジヘはもっといい生活に憧れ、
今はインターンだけれど
いつか上へ行く、という小さな野心があり。
知り合った仲間(年齢も性別も様々)と
世の中を、自分の生活を変えようと行動する。
それは思ったよりも上手くいかず、
挫折を覚えるけれど、
行動した、という達成感は
彼らの心をほんの少し変えていく。
とても素敵なドラマを観たような
読後感だった。
2023年11月14日
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ドベとノラ コミックエッセイ 犬が結んだご縁 (2)
- ヨシモフ郎
- KADOKAWA / 2023年10月18日発売
- 本 / 本
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ハリネズミ達と暮らしてから
わんこやにゃんこ、鳥さん、
動物がとても愛おしい存在になった。
Twitter(現X)でも色々な動物達を見ては
はあ、愛らしい、、と
にやにやしたり、ため息をついたり、
涙が出たり。
そんな時、タイムラインで
ヨシモフ郎さんのコミックエッセイを見かけて。
保護犬を預かることになった話で
笑いあり涙ありの顛末が
優しいタッチで描かれていて。
何度も読み返していたら
それがコミックで発売されることを知り
早速購入。
買ってから結構経つけれど
寝る前とか、ふとした時に
繰り返し、読み返して
ほんわか温かい気持ちになっている。
2023年11月6日
シソンヌじろうが
川嶋佳子という女性(キャラクター)
になって書いた日記。
感性や表現がとても素敵。
コケティッシュで
少し不幸な雰囲気を出しつつ、
淡々と日々を綴っている。
両親の話も
同僚との関わりも
恋の始まりも微笑ましい。
ところどころ、
シソンヌっぽさが出ているのも
ご愛嬌で。
“月水金よりは火木土の方が好き。
月水金が偶数で、火木土、が奇数のイメージ。”
とあったけれど、個人的には
火木土が偶数かな。日曜日も偶数。
↓好きだったところ
“大事にしてたイヤリングが片方なくなった。
捜さないでおくね。
あなたの意思を、尊重します”
“いなくなったイヤリングが帰ってきた。
こういう時は多くは聞かず、
受け入れてあげることにしている。
おかえりなさい。”
川嶋さんの日々をもっと読みたくなった。
2023年10月27日
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透明な螺旋 (探偵ガリレオシリーズ 10)
- 東野圭吾
- 文藝春秋 / 2021年9月3日発売
- 本 / 本
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2年前に購入していたのに
もったいなくて読めずにいた。
読み始めは加賀恭一郎シリーズのようで
ここからどうなっていくのかと
思っていた。
事件と並行して
湯川学の家族関係や過去が明らかになり。
彼の冷静な優しさが事件に関わった人達を
掬いあげ、救う部分が印象的だった。
湯川さんというとドラマでの
数式を書き殴るシーンが浮かぶけれど
この作品ではそれはなく静かな雰囲気で。
血縁や、親子の情や、人の心は
計算では解けない複雑なもので
「人は誰もひとりでは生きられない」
と言った湯川さんの反省(後悔)が
感じられた。
2023年10月21日
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偽りの眼 下 (ハーパーBOOKS)
- カリン・スローター
- ハーパーコリンズ・ジャパン / 2022年6月28日発売
- 本 / 本
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そうだったのか、、
(まあ予想はしていたけれど)
というところで上巻が終わり、
翌日に下巻を一気読み。
弁護士である姉のリーと
薬物依存の妹キャリー。
母親から虐待、放置されていた姉妹は
お互いだけが頼りだった。
リーは全ては自分のせいだから
自分がなんとかしないと、と
思い込んでいるけれど、
キャリーはリーが思うよりも
自立していたし問題を解決しようとしていた。
異常者のアンドルーと
その婚約者でやはり異常者のシドニーが
本当に本当に嫌な存在で
早く死んでほしいと思いつつ
ページを繰っていた。
キャリーと動物病院のドクターの
会話の場面で心があたたかくなり
ジーンとしてしまった。
(あんこうの話は強烈)
悲しい結末だったし、
リーの姉妹がしたことを
アンドルーの母親が知っていて
それを言ってくれればこんな結末には
ならなかったのに、、と
やりきれない気持ちだった。はあ。。
2023年10月15日
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偽りの眼 上 (ハーパーBOOKS)
- カリン・スローター
- ハーパーコリンズ・ジャパン / 2022年6月28日発売
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はじめのほうを読んで
疲れきった主婦が出てきたと思い
何度かよみかけたものの
興味をひかれず月日が経ってしまった積読本。
疲れきった主婦ではなく
ティーンのベビーシッターだった事に
気づいてからは読む手が止まらず
一気読み。
ベビーシッターをしていたキャリーと
姉のリー。
シッターをしていた時の男の子が成長、
レイプ事件を起こし
弁護士のリーに依頼してくる。
彼、アンドルーは
キャリーとリーの秘密の過去を盾に
無罪にするように脅してくる。
何故アンドルーが知っているのか、
わかったところで上巻が終わる。
早く下を読まなければ。。
2023年10月14日
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殺人者たちの王 (創元推理文庫)
- バリー・ライガ
- 東京創元社 / 2015年11月12日発売
- 本 / 本
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えええ、そんなぁぁ。。
最後まで読んで思わず声が出た。
確かに海外ドラマのように映像が浮かび
楽しく読んでいたけれど
海外ドラマのようにクリフハンガーな
幕切れになるとは。
前作「さよなら、シリアルキラー」は
続きがありそうな終わり方ではあったものの
事件としては解決していたし、
読み終わって、一息つけた。
でも今回は
主人公ジャスパー“ジャズ”、
ジャズの恋人コニー、
ジャズの親友ハウイーも
それぞれ危機的状況だし、
真相に近づいてはいるものの、
事件もまだ解決していないし、
ジャズの出生や、
彼に関わる人物についても
気になるところだらけで。
3部作の2番目が今作で、
前作を読んだ時点で
続編を買っておいてよかった。
とにかく早く続きを読まなければ。
(グロい描写が多いので
少し辛いけれど。。)
2023年10月3日
正義は難しい。
被害者と加害者、
そうは言っても
どうかすると逆の立場にもなってしまう。
罪は罪だけれど、だからといって
誰も彼もに断罪する資格はあるのか。
日頃ネットで話題になっている炎上を見るにつけ、よく知りもせず調べもせず
騒いでいる人達にうんざりしてしまう。
「保護」
「ストーカー」
途中でくるりと景色が変わり驚かされた。
どこでどんでん返しがくるのだろうと
注意して読んでいるのに
いつも作家さんの思うツボにはまる。
でもそれが楽しい。
「死は朝、羽ばたく」
こちらも読みながら、えええ!となり
同時に心に響いて、重い気持ちになった。
罪を償うことの本当の覚悟を見せられた。
2023年9月1日
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わたしが先生の「ロリータ」だったころ 愛に見せかけた支配について
- アリソン・ウッド
- 左右社 / 2022年3月7日発売
- 本 / 本
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第一部を読んでいる時は
17歳の女の子と26歳の教師 2人の
よくあるような恋物語のように思えた。
多感な時期に素敵な
(知性があり、余裕があり、
優しくリードしてくれる)男性に出会えば
普通の女の子ならきっとときめくし、
実際、高校時代、私の周りにもそういう先生や
彼等に憧れている生徒がいた。
色々と病んでいたアリソンにとって
自分を認めてくれたり、
特別扱いしてくれるノース先生は
王子様で救世主で、理想の恋人だった。
でも第二部から
ノース先生の本性?が現れ、
アリソンは驚き、戸惑い、疲弊していく。
第二部を読んでいても、アリソンへの
グルーミングや支配というよりは
恋人同士のよくある関係のように思えて
読んでいてとても共感できた。
我慢できない事があっても
その後優しくされると許してしまって
うん、あるあるだよね。と思ったし。
ただノース先生がアリソンとの関係を
「ロリータ」に擬えていた事から
その欺瞞を疑うようになったことで
普通の?恋愛にはならなかったのだと思う。
自分がどう扱われてきたかを分析して
昇華したところが素晴らしい。
恋愛のバイブルとしても使えるのでは。
2023年8月26日
「方舟」のほうを読んでいないので
(内容紹介を読むと閉所恐怖がある自分には
辛そうな気がした)
この作品だけの感想になってしまうのだけれど。
早い段階で、犯人がわかってしまい、
(鈍い私でもわかりやすかった)
その人の言葉に
いちいち胡散臭さを感じてしまった。
大室と里英の親子がよくわからないというか
不穏な雰囲気がありそうで
ミスリードなのかな、と思いつつ。。
大室の
「〜なんです?」という言葉尻が
気になって集中できなかったり。
設定は色々と面白かったのだけれど
個人的には合わなかった。
2023年8月22日
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三面記事小説 (文春文庫)
- 角田光代
- 文藝春秋 / 2010年9月3日発売
- 本 / 本
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街で見かける人達、
少し会話を聞いたりするだけで
実はこうなのかな?と
友達と一緒に勝手に想像したり
知らない人を主人公にして
短いお話を作ったりするのが好きだった。
だから
三面記事からヒントを得ての小説を
ワクワクしながら読んだ。
読後はワクワクとは程遠く
辛くて落ち込んでしまったけれど。
どの話もそこらじゅうにありそうで
でもどこかでとどまっていて
一線は越えていないだけ。
自分も隣り合わせにいるのかも
と思わされた。
2023年8月7日
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異邦人(いりびと) (PHP文芸文庫)
- 原田マハ
- PHP研究所 / 2018年3月8日発売
- 本 / 本
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初めて読む作家さん。
原田マハが、昔読んでいた原田宗典の妹だと
つい最近知って驚いた。
美術系、アートが題材の小説が多い印象で
興味はあったのだけれど、
それほど詳しくないので避けていた。
読み始めたら止まらなくなり一気読み。
京都を舞台にした絢爛なメロドラマ。
芸術に貪欲な女性とその家族、
心に熱を秘めた女性とその師匠。
彼女達の出会い、出生の秘密等が
京都を舞台に鮮烈に描かれていて
映像を見ている感覚で読んだ。
菜穂がお世話になった書道家、
鷹野せんの言葉が染みた。
ひとつ、使われていた京都の言葉?
に違和感。。
2023年7月31日
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おいしいごはんが食べられますように
- 高瀬隼子
- 講談社 / 2022年3月24日発売
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ずっと積読にしていて
読んだらあっという間に終わってしまい、
短編集なのかと思ってしまった。
個人的に年齢は関係なく
二谷→綾野剛
押尾さん→小池栄子
芦川さん→山口もえ&松本まりか のイメージで。
二谷も押尾さんも芦川さんも
自分の中にいて。
心の中で皮肉を言ったり拒絶したり、
意地悪な気持ちになったり、
媚びて自分の思い通りにしたり、
うん、そうだよね、と思いながら読んでいた。
人の本当の気持ちは外見からは量れないし
読めない。
難しい。。
2023年7月20日
2023年7月14日