炎立つ 伍 光彩楽土 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (1995年10月4日発売)
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感想 : 62
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世界遺産 平泉へ訪れるなら、この作品は必読です。何も知らずに金色堂と密集したお寺を眺めるだけではなく、「浄土を作る」というコンセプトがどんな背景からできたのか想像しながら歩くと、感動の大きさは歴然の差があると思います。

それほどこの作品は私のような初心者にも、陸奥の歴史を鮮やかに想像させてくれました。著者の歴史への知識に裏打ちされたストーリーと、「武士」としての人間関係や判断に引き込まれます。
お気に入りは「そうきたか」と呟いてしまうほど良い意味で期待を裏切るクライマックス。当時の武将の取る選択肢としては考えられない視野の広い人道的な感覚です。歴史的な真偽は知らないのですが、小説として大変楽しませてくれました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2017年7月9日
読了日 : 2017年7月9日
本棚登録日 : 2017年7月9日

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