舞台は、フィンランドの森にある素朴なホテル。そこには、「異次元へ通じるドア」があり、ここで出会った4人の日本人がドアを巡って様々な葛藤し、それぞれが結論をだし、前へ進んでいく物語です。帯に「もたいまさこさん、しみじみ共感」とあったので、思わず手に取り、一気読みしました。
題名が単行本では「くらげホテル」でしたが、文庫本では「ホテルメドゥーサ」になったそうです。物語の中でも、「くらげ」に関するものがちょこちょこでてきます。「異次元の通じるドア」の先にある世界に何か関係があるのかもしれません。SF的な要素は少ないですが、子供の頃読んでいた「スーパーミステリーマガジン ムー」にでてきた「クラゲ型の宇宙人」を思い出し、懐かしく感じました。
読み終わって、もたいさんがしみじみ共感したのが何か?よくわかりませんでした。しかし、解説を読んでみると、この物語は4人の言葉や行動を一切否定することなく、全てを肯定していく展開であるとあり、他にも「自分探し」、「後戻り」など気づかなかった機微があることがわかりました。それをふまえて改めて読み返すと、ほっこりした気分になりました。
フィンランドに関する部分は、「トゥルク」が少しでてくる位で殆どありません。けれども、人里離れた静かなフィンランドの森の中なら、「異次元へ通じるドア」があってもおもしろいかなと思わせてくれます。読むと、少しだけ肩の力が抜ける気がする、素敵な1冊です。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
フィンランド
- 感想投稿日 : 2022年7月9日
- 読了日 : 2022年7月9日
- 本棚登録日 : 2022年1月15日
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