火の鳥 5 復活・羽衣編 (角川文庫)

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レビュー : 34
著者 :
きりんさん  未設定  読み終わった 

主人公レオナは火の鳥の生き血を手に入れながら、それを使う間もなく事故で死んでしまいます。科学の力で脳の半分以上を人工頭脳に入れ替えられ、ロボット人間として復活させられるのですが、後遺症から生物が無機物に、無機物が生物に見えるようになってしまう。人間でも無い、ロボットでも無い自分の体に嫌気がさし、死にたい、と火の鳥に願うのですが、「科学の力で貴方は何度でも蘇らせられる。私の力などもう必要無い」と突き放されます。
「フェニックス聞いてくれ ぼくはもう普通の人間じゃないんだ。人工的に作られたつくりものの生命なんだ!これが復活ならぼくはもうごめんだっ!」

レオナは事務用ロボットのチヒロに恋をします。しかし密輸グループの女ボスに見染められ、彼の体は女ボスの物になってしまう。せめて心だけでもチヒロにあげたいと願い、チヒロの体に自分の精神を移植する様、科学者に頼み込むレオナ。二人は一つになり、ロビタという名のロボットになります。
量産されたロビタは人間の気持ちがわかる、人間に自分の意見を伝えることができる家庭用ロボットとして重宝されます。しかし、一体のロビタに無実の罪が着せられ廃棄処分になると、全てのロビタが一斉に共鳴し合い、集団で高熱炉に投身自殺してしまいます。
ロボットが自殺をすることは可能なのか?
もし、可能だとしたらその時点でロボットと人間の境界線は?
前半で脳の大部分を人工頭脳が占めるレオナが人として苦悩する姿が描かれるため、なおさらその境界線があやふやになってきます。

この復活編でも人工的に生命を作りだすことは不可能だと語られます。仮に科学の力をもってして生き長らえさせたとしても、それはロボットだと。
最後1体だけ残ったロビタは猿田博士に拾われ、未来編へ続く形で終わります。よくこんなストーリーを練れるなと…天才か!


羽衣編は昔話の羽衣伝説をモチーフとした短編。観客席からステージ上の舞台を眺める様に、全て同じ視点からの描写形式。他シリーズに比べ非常に短いのですが、もの悲しいラストに余韻が残ります。

レビュー投稿日
2013年1月14日
読了日
2013年1月11日
本棚登録日
2013年1月13日
3
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