国家の品格 (新潮新書 141)

著者 :
  • 新潮社 (2005年11月20日発売)
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アクティブブレインの読書法セミナーの教材となった本。セミナー中に本書の要点を抽出し、アウトプットのための書籍紹介(5分間)をした。同時にフォトリーディング&高速リーディングを個人的にした。
著者の論点は、日本は今、アメリカ主導の「論理」の世界にいるが、かつてあった「情緒と形」の世界、とりわけ武士道の世界に戻り、国家の品格を立て直すべき、というもの。この日本独自の国家の品格は、「論理」によって崩壊しつつある世界を救えると著者は主張するが、同時にこの日本の国家の品格も死につつあると警告している。
著者は論理の世界が何故破綻するかと説明し、同時になぜ情緒と形が大切なのかも説明。その中で新渡戸稲造の解釈した武士道を引用し、新渡戸が日本の武士道も滅びつつあるかもしれないがそれは世界を救うものである、といったことを受けて日本の武士道が世界を救うと締めくくっている。
個人的には日本人キリスト者として私が、日本の文化を主イエスのために贖わなければと思っていたこととつながると感じた。新渡戸は桜の散る様が武士道を説明しているとしたが、日本の文化が贖われれば世界を救う散る桜となるのかもしれない。実に興味深い発想だ。著者の藤原氏はキリスト者ではないので、ひょっとしたら著者よりも私のほうが新渡戸の武士道を理解できたのかも知れないと、かなり本気で思っている。星四つ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2013読了
感想投稿日 : 2013年1月27日
読了日 : 2013年1月27日
本棚登録日 : 2013年1月27日

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