ウェブはグループで進化する

  • 日経BP (2012年7月26日発売)
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ソーシャルネットワークは独立したグループが結びついて形成されているという考え方は本書における最も重要な主張。非情に影響力のある人物を探し求めるよりも、無数に存在する小規模のグループに注目し、彼らに焦点を合わせて戦略を練るべきなのだ。

アドバイス
大勢の人々に対して普遍的な価値をアピールするようなコンテンツをつくろうとするのではなく、小規模なグループに響くようなコンテンツをつくること。

情報が広く伝わるかどうかを左右する最も重要な条件は、影響力を持つ人物がいるか否かではなく、影響を受けやすい人物が十分に存在し、彼らが同じように影響を受けやすい人々と繋がっているか否かである。

新しい発想が普及する際、イノベーター+ハブが出発点となるが、広く一般にまで到達するためにはフォロワー+ハブを経由しなければならない。

イノベーターハブはつながりを数多く持つだけでなく、心理的ハードルが低い人々だ。彼らは新しい発想に数回触れただけでそれを受け入れる。もう一方のフォロワーハブはより一般的な存在で、つながりの数は多いものの、心理的ハードルの高い人々のことを指す。

意思決定の際にソーシャルネットワークを頼る傾向が強まるのに反比例して、専門家を頼る傾向は弱まっている。ましてや見ず知らずの他人を頼るという可能性はさらに減少するだろう。その代わりに頼られるのは、私たちの遺伝子に「助けが必要なときには彼らを頼るように」と刻み込まれている人々、すなわち心理的に最も近い人々である。

私たちは無意識をつかさどる脳に依存している
あらゆる判断において、無意識脳が膨大な分析を行い、その結果を「なんとなくこう感じる」という形で意識的に伝える。意識脳はそれを受け取って、最終的な判断を下す際に活用している。つまり理性は感情に依存する存在なのだ。

意識脳は大量の情報を処理するようには設計されていない
大量の情報の中で生きている関係上、私たちの脳は意識された情報を無意識の情報へと変換するように設計されている。
意識脳は、無意識脳が下した結論というインプットを得た上で、直近の短期記憶に基づいて働くのである。

よく思い出す記憶は、最も不正確になる
何かを思い出せば出すほど、その記憶は正確さが失われていくのである。

人間は細部ではなくて、主要な関係性を記憶する
私たちの脳は細かい部分ではなくて、物事と物事との関係性を記憶している。

人々は情報を欲しがるが、対立する情報がアタマの中に入ってくるだけで、処理がパンク状態になってしまう。この現象は認知的不協和として知られ、買い物をしているときに陥ることが多い。この状態になると、私たちは直前に抱いていた信念に近い選択肢を採用し、残りの選択肢は適切な分析もせずに捨ててしまう。

習慣が先入観を与える、難しいのは、最初に何か新しいことを初めてもらうというステップだ。人間が行動に対して最もオープンになれるのは、幸せを感じているときである。悲しみや恐れを感じているときには、慣れ親しんだものに気持ちが向いてしまい、新しいことは避けようとする。

情報過多になると、人々は友人を頼りにする

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: Business
感想投稿日 : 2013年6月1日
読了日 : 2013年6月1日
本棚登録日 : 2013年6月1日

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