近代の超克 (冨山房百科文庫 23)

  • 冨山房 (1979年2月9日発売)
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世相を感じることができる。
ヨーロッパ的近代は日本に文明開化以来様々な制度や理念をもたらしたが、その制度や理念は社会的矛盾を解決できていないというのが共通認識だったのだと個人的に思っている。おそらくだが、その失望は米国への宣戦布告の中の国際法遵守に関する一文が抜けていることと無縁ではない。
そして、ドイツやソ連など既存の近代概念とは異なる一党支配の国が力をつけるにつれ、日本も近代を脱皮して新たな制度や理念を構築しようとする。米国との開戦に興奮を覚えた知識人が多いのは、近代の超克が時代の雰囲気であったことの証明だと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2013年2月10日
読了日 : 2013年6月21日
本棚登録日 : 2013年2月9日

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