柚月 裕子「最後の証人」
弁護士と検察官の対決という図式ではあるけど、事件の内容がこの物語の大きな流れになっています。誰にでも起こりうる事件をここまで大きな流れにして、それを裁判という舞台で結末を迎えさせる構成は、中だるみすることなく常に緊張感を漂わせていました。
女性らしい細かい人物描写は、時に臭いと思うところもあるけどとても生き生きして、内容を盛り上げています。デビュー作の頃より色やにおいを感じられるほど表現力が豊かになって、女流作家として楽しみな存在になった気がします。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
裁判
- 感想投稿日 : 2010年8月17日
- 読了日 : 2010年8月17日
- 本棚登録日 : 2010年8月17日
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