堀江敏幸『傍らにいた人』より。堀江氏はある一文の文末の「ひずみ」を指摘しながら、その語り手のまなざしの変化を「真摯に受け止めればよい」と書く。この一文は本作の起承転結の「転」であり、ここでまさに文章の世界が一転して明るくなり、そこで筆者の心も晴れ渡るような清々しさを覚える。。その色としても出てくる果物は檸檬でも林檎でもなく「蜜柑」がふさわしいと思う。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
青空文庫
- 感想投稿日 : 2021年6月12日
- 読了日 : 2021年6月9日
- 本棚登録日 : 2021年6月9日
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