ドグラ・マグラ(下) (角川文庫 緑 366-4)

著者 :
  • KADOKAWA (1976年10月13日発売)
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本棚登録 : 9532
感想 : 557

上巻に続き下巻に入り、様々な手記や証言が出てきて面白いと思ったけど、如月寺縁起(102p)手記で読みが滞った

結局、主人公の「私」は誰なんだろう

考察を色々と調べたら、呉一郎説とか胎児説とか、また読者説といくつかの説があって、そのどれも面白い。でも個人的には、読者説…というか、私=自分(この小説を読んでいる者)と思うかなぁ何か読んでて。離魂病もつまり読者が本を読んでる時の浮いたような感覚という説があってつくづく面白いなぁ。でも正直上下巻通して、正木、若林の博士らの台詞だったりがまるで読者を見透かしてるかのように感じる部分も到る所にあったような気もする

鏡にうつった自分に「お前は誰だ」と問い続けると精神が〜ってのは、結構有名だと思うんだが、それを本と人で行ってる…というか、行わさせているのがこの小説なんじゃないかとも

どれだけ考察しても、すればするほど正木博士らの(または作者の夢野久作)掌の上で踊らされてるような感覚にも陥るし、下巻の最後と上巻の最初が繋がってるのも、気味が悪い。だって、いくら考えてもまさに「堂廻目眩」になってしまうんだもの

だけど、自分はこれを是非に色々な人に読んでほしいなぁと思う。この摩訶不思議な読後感なりを味わってほしい

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2016年11月15日
読了日 : 2016年11月15日
本棚登録日 : 2016年11月15日

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