夜想曲集: 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語 (ハヤカワepi文庫)

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レビュー : 152
制作 : Kazuo Ishiguro  土屋 政雄 
knkt09222さん 文学 海外 イギリス   読み終わった 

■老歌手 ※往年の名歌手。老夫婦のそれぞれが愛し合っているにもかかわらず再起に賭けて別れる。
■降っても晴れても ※親友夫婦の間をとりもつ滑稽でダメなぼく。
■モールバンヒルズ ※夫婦のズレを目撃する、ミュージシャン志望の若者。
■夜想曲 ※整形手術を受けたサックス奏者と、隣室で知り合ったセレブが、トロフィーをめぐりドタバタ劇。
■チェリスト ※駆け出しのチェリストは、楽器を弾かない大家からレッスンを受ける。

音楽と(人生の)夕暮れ、という副題が美しいほどにぴったり。
最初から「書き下ろし短編集」として編まれた5題。
重、軽、 重、軽、重、という構成もよい。

ユーモアとペーソスをまぶされた、夫婦の黄昏れ。
才能と継続。諦念。郷愁。転機。芸術と世俗。シビアでもコミカルでもある人生というもの。
「愛し合っているのに……」「愛し合っているからこそ……」という男女の機微。
これらはすべて年を重ねたからこそ味わえる滋味だ。
長く生きれば必然として滓や澱のように溜まるものがある。
ドタバタコメディでもある「降っても晴れても」や「夜想曲」の背後にも、それらはもちろん。
解説で中島京子さん曰く「可笑しいんだか、悲しいんだか」。まさにこれ。

レビュー投稿日
2017年10月21日
読了日
2017年10月21日
本棚登録日
2017年10月21日
8
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