鶴田氏の絵がやはり素晴らしい。
「Spirit of Wonder」に続き触れたのは二作目だが、
絵の巧みさだけでなく「構図の取り方」がびっくりするほど秀逸。
ころころ変わるエマノンの表情を追いかけるだけでも楽しい。
梶尾氏は、映画化された「黄泉がえり」の印象で、若い作家なのかと思っていたが、
それなりに高齢でとてもキャリアの長い作家さんだと、今回知った。
いつまでも年をとらず生きる少女、という幻想は多くの人が持つものだろうと思うが、
それを無理のないかたちにまとめ、記憶という観点から見つめなおして、さわやかな印象を残す。
原作小説の文体も想像できるくらいだ。
十三年後に邂逅したエマノンの言う、
数時間一緒にいても
数十年間一緒にいても
好きだったという
思い出は
私にとっては
同じことなんだもの
という台詞は美しく、作品の根幹にかかわっているすばらしい台詞だった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
漫画
- 感想投稿日 : 2016年7月15日
- 読了日 : 2016年7月15日
- 本棚登録日 : 2016年7月13日
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