穂村弘が、
大島弓子のある時期の漫画は、まぶしすぎて読み返せない、
と書いているのを読んで、わかる! と快哉を叫んだことがある。
大きな家ではない。
自然、一定期間ごとに本を売らなければならない。
そのころの私は荒んでいて、自分への怒りや嫌悪を、小説や漫画や映画や音楽にぶつけてしまった。
『綿の国星』もその被害に遭ってしまったのだ。
あのとき確実に私の一部は死んだ。
手放さずにはいられなかった本である。
……じゃがいもで作った犬みたいな顔をした男が何をか言わんや。
好きと嫌い、好きと好きじゃない、嫌いと嫌いじゃない、
生きていると死んでいる、生きていると死んでいない、死んでいると死んでいない、
が濃密に圧縮された短編集。
これを読んで、少しだけ生き返った気持ち。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
漫画
- 感想投稿日 : 2016年7月14日
- 読了日 : 2016年7月14日
- 本棚登録日 : 2016年7月14日
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