ダリアの帯 (白泉社文庫)

著者 :
  • 白泉社 (1999年6月1日発売)
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本棚登録 : 506
感想 : 39
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穂村弘が、
大島弓子のある時期の漫画は、まぶしすぎて読み返せない、
と書いているのを読んで、わかる! と快哉を叫んだことがある。

大きな家ではない。
自然、一定期間ごとに本を売らなければならない。
そのころの私は荒んでいて、自分への怒りや嫌悪を、小説や漫画や映画や音楽にぶつけてしまった。
『綿の国星』もその被害に遭ってしまったのだ。
あのとき確実に私の一部は死んだ。
手放さずにはいられなかった本である。

……じゃがいもで作った犬みたいな顔をした男が何をか言わんや。
好きと嫌い、好きと好きじゃない、嫌いと嫌いじゃない、
生きていると死んでいる、生きていると死んでいない、死んでいると死んでいない、
が濃密に圧縮された短編集。

これを読んで、少しだけ生き返った気持ち。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 漫画
感想投稿日 : 2016年7月14日
読了日 : 2016年7月14日
本棚登録日 : 2016年7月14日

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