黄金の世界史 (講談社学術文庫)

  • 講談社 (2010年12月1日発売)
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感想 : 3
4

金・銀の発掘や取引を中心に世界史を概観したもの。
特に紀元前からのインド洋の国際的商業を強調している。
いわゆる、海の道。
これを読んでると『エリュトゥラー海案内記』を入手しておけばよかったと後悔する。
シルクロードや地中海といった貿易路は中学の頃から繰り返され、強調されているが、インド洋に就いてはかなり知らないところが多い。
せいぜい、ダウ船がどうしたとか、大航海時代でヴァスコ・ダ・ガマがどうしたとか、鄭和の第遠征が、とか程度で終わってしまう。
ローマと中国からかなりの量の金を吸い上げていた、と筆者は主張するが、それが実際どの程度の規模で行われたのかは詳細には述べられてない。そこが残念だ。
近世~近代では、ポトシ銀山以外の銀山や、エル・ドラドの伝説を生むこととなった南米の金の話もされていて興味深い。
さらに、イギリスの金本位制の準備についても話がなされている。
東大の世界史が好きそうなテーマの一つでもある。
高校生から大学生まで含めておすすめ。
惜しむらくは、上に書いたとおり、詳細な数字が出ているところと出ていないところがある、ということだ・・・。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2011年4月28日
読了日 : 2011年4月27日
本棚登録日 : 2010年12月27日

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