戦中の根こそぎ動員が始まる以前の、陸軍兵営の話。
男子校的なノリと、おおらかな兵隊生活が描かれている。
昔読んだ兵営での話はもともと体育会系でない人たちが徴兵制で動員され、イヤイヤ訓練させられ――もちろん、戦前でたまたま徴兵された人もイヤイヤだったんだろうが、割とあの頃を懐かしげに述懐している――ひたすら理不尽なビンタといじめに耐え忍んでいたというイメージを抱かせるような本しか読んだことがなかった。
むしろ、この本で描かれている軍隊生活が一般的だったのかもしれない。
人によっては、軍隊生活が面白くてたまらなくなりそうだ。
「いやじゃありませんか軍隊は♪」という軍歌や「兵隊やくざ」を思い出させる。
最近の戦争映画や小説だと、やたら「了解!」とか「目標〇〇!主砲撃(て)えっ!」とか、そういうキリッとした表現が多発するが、そんなわけではないことがよくわかる。
もっと軍人はズボラでナマケモノなのだ。そうでもしないと、戦争なんてやってられないんだろう。
やたらカチッとした軍人なんて、辻さんみたいな余程のアレなんだろうな。
かといって、牟田口みたいなのもアレだけど。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
軍事
- 感想投稿日 : 2011年4月27日
- 読了日 : 2011年4月12日
- 本棚登録日 : 2011年3月31日
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