ちょっとした小箱のようなこの本の感触がたまりません。久しぶりにおどろおどろした独特なリズムというか京極節を堪能しました。江戸時代の怪談『番町皿屋敷』のストーリーを元に新解釈で書き直していて、巷説百物語の又市や徳次郎などが登場している。これはこれで楽しめたけど、虚しさの救いが見あたらないのがやりきれないこの限りではなく、やはり『鉄鼠の檻』や『嗤う伊右衛門 』のような神懸かった作品とは言いにくい。それでも、文章の美しさは音だけでなく、流麗な文字の配列にすら美学を感じました。
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- 感想投稿日 : 2019年12月8日
- 読了日 : 2013年10月3日
- 本棚登録日 : 2019年12月8日
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