敵討 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2003年11月28日発売)
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感想 : 28
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▼久しぶりに吉村昭さんを読みました。相変わらず、地味で硬派でコリコリしていて、エンタメにイキきらない独特の語り口が一種オモシロイ。森鴎外を読んでいる気分にちょっとなります。

▼確か、江戸時代の(明治大正もあった)、「かたきうち」の実話を歴史小説として描いていらっしゃる。そこではエンタメ性やヒロイズムは徹底的に排除されています。実にハードボイルド。ひとをころす、というしんどい肉体作業。長年かけて敵討ちをする精神的疲弊感。などなどがビシビシと容赦なく描かれて。それでいて、ちゃんと小説になっている。面白く読ませる。独特の背筋の伸びる持ち味、悪くないです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本:お楽しみ
感想投稿日 : 2025年2月15日
読了日 : 2025年1月9日
本棚登録日 : 2025年1月9日

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