▼全体に素敵な小説ですが、西岡さんのエピソードが好きです。きっとそういう人が多いでしょう(分かりませんが)。
▼アニメをまず見てしまい。そのときに、この本は話題書ベストセラーだったので「あっ、これ、読んだつもりになってたけれど、読んでなかった」ということに気づいて、手に取りました。
(逆のこともたまにあります。読んでないつもりで買ったり借りたりして、読み始めて途中で「おおっ・・・これ、読んだことある・・・」)
▼とある大手出版社の辞書編集部。辞書を作る人々のお話。
大まか、以下の6つのお話というか、要素でできている小説です。
個人的にはこの中の「3」と「6」が胸熱でぐっと来ました。
ただ、他の要素も読みやすくオモシロく書けていて、確かにこれは秀逸な小説だなと脱帽です。
全体にユーモア小説?というくらいのエンタメ精神でも描かれています。辞書を作る話、という題材に溺れないところが良いですね。
▼1:馬締(マジメ)さんという若手男性社員が辞書編集部にやってきた
2:マジメさんが下宿で一つ屋根の下にいる、女性料理人と恋愛して結ばれる
3:マジメさんの同僚の西岡さんが、マジメさんの変人ぶり&辞書編集者としての天賦の才に複雑な気持ちを持ちながらも友情を結ぶ。が、異動で去る。が、気持ちはずっと応援している。
4:十年以上経過して。岸辺さんという若い女性が編集部に異動でやってきた。初めは戸惑うがやがて仕事にやりがいを。
5:岸辺さんと、辞書の「紙」を担う製紙会社の熱心な男性若手社員が、仕事を通して良い感じになる。
6:うっかりミスのチェックなど紆余曲折を経て無事に完成&好評を迎えるが、ずっと一緒に作って来た国語学者さんは直前に病死してしまう。
▼そういえば小説でもアニメでも、「西岡さん」が半同棲している女性がいる。その女性とは昔からの長い腐れ縁みたいな関係。気楽に付き合える。そして大まか幸せに結婚することになる。という流れがあるのですが、その「気楽に付き合える腐れ縁」的な要素のなかで、けっこう相手の女性に失礼なことを言ったりするんですね。それは、「気楽に、気を遣わず済む相手」ということの表現であることは明白。なんですけれども、「おいおいそりゃ失礼だろう・・・というかそんな言い方したくなる相手と付き合うってカッコよくないなあ」と思いました。細部は忘れてしまいましたが。。。
無論些事で、全体の素敵さは変りませんが。
- 感想投稿日 : 2025年2月16日
- 読了日 : 2025年1月25日
- 本棚登録日 : 2025年1月25日
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