一般的にヒンドゥー教の聖典とされる『バガヴァッド・ギーター」をそこに登場する戦士アルジュナの側から読み説こうとした本である。しかし、この聖典の成立についての歴史的背景や他のインド聖典群の中での位置づけといった基本的な情報についても分かり易く書かれている。また、この最も世界で読まれているサンスクリット聖典に魅了された人々について書かれた思想史本のような内容でもあり、そこがユニークである。個人的には、ガンジーがこれをどう読んで、自らの思想の糧としたかという当りは読み応えがあった。
とはいえ、『バガヴァッド・ギーター』の最後というのは、個人的にどう理解するか(笑)。クリシュナはすべてを私に任せよ、と言うけれど、本当に任せていいのか、と(笑)。
いずれにせよ、この本自体もとても面白いし、『バガヴァッド・ギーター』自体も面白い。本書のような学術書が書かれるということは素晴らしいことだと思うし、それは赤松先生の力量あってこそだろう。学問をする、勉強をするとはどういうことかをも教えてもらった気がする。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
哲学
- 感想投稿日 : 2014年1月29日
- 読了日 : 2014年1月29日
- 本棚登録日 : 2014年1月29日
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