ゲームの王国 下 (ハヤカワ文庫JA)

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本棚登録 : 196
レビュー : 25
著者 :
小春さん あ行   読み終わった 

カンボジアのポル・ポト政権下で不条理な抑圧、虐殺が横行するなか、天才的な頭脳をもつ少年と少女が出会う。それぞれが平和を願いながらも、進む道は分かれ対立していき…。

上巻は、カンボジアの暗い時代をたどる重苦しい展開で、歴史小説のよう。その50年後つまり少しだけ近未来の下巻では、上巻の歴史自体が大きな伏線となって新たな物語が提示される。
情に流されない淡々とした語りは、ときにはかなり理屈っぽくなるのだが、読みにくさはない。わき役は個性的で、土と会話したり輪ゴムで人の生き死にがわかったり、陰茎で不正を察知するなど、滑稽ですらある。
たくさんのものがごちゃ混ぜになって、整理し切れていない部分もあるのだが、帯にある「規格外のSF巨篇」というコピーがぴったりだ。

じつは、SF大賞という冠や「ゲームの王国」というタイトルから、ラノベ的な科学ものを想像して敬遠していた。でも、『嘘と正典』がおもしろかったので購入した文庫本、山本周五郎賞も受賞していてなかなか読み応えがある作品だった。

レビュー投稿日
2020年3月17日
読了日
2020年3月17日
本棚登録日
2020年3月12日
3
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